2016年05月20日

タニオコバ シリーズ'70 改良案 その③

 MJマガジンでは、タニオコバのシリーズ '70を数回にわたり紹介しています。といっても、普通のモデルガン紹介記事ではなく、ブロゥバックや発火音での謎解きが多いです。
 シリーズ '70ではモデルガンマニアが気になる部分が2つあります。

①ポリマーEZ-CPカートリッジだと発火音が小さい
②ポリマーEZ-CPカートリッジだとブロゥバックパワーが小さい

 そこで、「なぜ発火音が小さいのか?」と「なぜブロゥバックパワーが小さいのか?」の2つの謎解きを進めてきました。
 ちなみに、MJマガジン最新号の5月号では、②に関して解決案を出しています。スライドストップが掛かるよう、ブロゥバックパワーをアップさせる案を紹介しています。

 ①はモデルガンマニアの間で諸説あり、これまで、もっとも聞いてきたのは「カートリッジの素材が違う説」です。金属製のカートリッジと比較して樹脂製のカートリッジは柔らかく、音の跳ね返り、反響が小さく、結果的に発火音が小さいという説です。


 複数のデルガンマニアが唱える①の原因説、つまり「素材が違う説」は有り得ます。これは無視できません。
 ただ、私は、「それもあるだろうけど、主原因は別にあるはず‥‥」と考えてきました。というのも、音を発するのは「マズル」からで、そのず~っと奥のカートリッジの素材が発火音の大きさを左右する‥‥と考えるのには無理があると思えたからです。

 「音」ですが、これは、空気中に「気圧差」が発生することで起こります。気圧差は空気を震わせますから、それを「音」として人は認識します。
 「音」とは「気圧差」であり、その気圧差の存在は「音」というもので気づかされる‥‥わけです。
 その音ですが、その大きさは、ガス(空気)の量と速度の2つで左右されます。特に流速は大きなポイントです。というのも、流速の8乗に比例して音は大きくなるからです。そのため流速が2倍になると音は256倍になります。ただし、人の耳は「イイカゲン」なので、256倍になっても「数倍」としか感じません。
 爆音プラグは最大で発火音を100倍にしますが、「せいぜいが数倍で、100倍はウソだ!」という意見もありますが、それがウソかどうかは測定実験すれば誰にでも分かります。過去の測定実験で、何度も、100倍になっていました。


 で、シリーズ '70です。
 発火音が小さいのも、ブロゥバックパワーが小さいのにも、必ず理由があります。発火音は3倍差があり、ブロゥバックパワーは20%差があります。
 そこには必ず原因があります。その原因を発見できれば、次に解決案も出せます。
 原因を探るべく試作したのがアルポリ・カートリッジです。アルマイトとポリマーの融合カートリッジです。

タニオコバ シリーズ70 改良案 その③


 今回、3種類のカートリッジでの発火音とブロゥバックパワーのデータを集められました。
 そこから得られたデータを元に、最初の、①と②になってしまう原因の仮説を立てました。「主原因」の仮説です。
 次に、その仮説が正しいかどうか、実験で検証したわけです。そういう実験は楽しいです。

 最終的に、ポリマーカートリッジの発火音が小さい原因とブロゥバックパワーが小さい原因にたどり着けました。
 仮説が正しいことが証明されました。
 その、一連の流れを、MJマガジン7月号で紹介しています。

 次は、タニオコバ社の各カートリッジのブロゥバックパワーについて調べたいところです。
 ヘキサゴンCPカートリッジのブロゥバックパワーが一番小さいとのことですから、実際にパワーを数値化してみます。
 またまた、マイナーな記事になりそうです。





Posted by mac-japan  at 07:00