2018年09月13日

よみがえる金狼

 先日‥‥と言っても、もうだいぶ前になりますが、久しぶりに「よみがえる金狼」を読み返しました。大藪春彦の作品の一つです。映画化もされているので知っている人は多いと思われます。
 話の内容は、バックを持たない一匹狼の男が、暴力によって伸し上っていく(大金を手にする)というものです。表向きは真面目なサラリーマンを装いながら、裏では、恐喝、現金強奪、人殺しなどなど、欲望のために何でやります。ストーリーはシンプルなので展開そのものは先が読めますが、主人公の行動が非日常的で、そこがおもしろさです。


 私が大藪作品を読み始めたのは高校1年生のときでした。切っ掛けは、6歳年上の兄に進められたことでした。
 昔のガンファンはどこかで大藪作品を読むことが多いと思いますが、私も高校生時代にほとんど読みました。中学生のころは眉村 卓が好きで、そっちをよく読みましたが、高校生になってからは、大藪春彦、平井和正、吉川英冶、池波正太郎あたりが多くなりました。


 話を戻して、よみがえる金狼です。
 作品の中には多くのガンが登場します。その中にはワルサーPPK、ワルサーP38も出て来ました。ガンファンが喜びそうなガンが登場することも大藪作品がガン好きに支持される要因の一つです。ガンに関する描写も多く、作品が書かれた当時、ガン好きたちが「へ~」と、唸るような情報、説明も多くありました。
 ただし、当然ながら話は相当に誇張され、「いくらなんでも、それはないだろ‥‥」という展開も少なくありません。
 例えば、スナブノーズリボルバの場合、ダブルアクションで撃つとガンがブレやすくなり、10m先の直径1mの的に命中させるのがやっと‥‥と、書かれています。う~ん、どんな初心者でも、そんなに当たらないはずはありません。目を瞑っていても、それくらいは当たります。

 そういった、ガンや射撃に関するツッコミどころはいくらでも出てきますが、大藪作品のおもしろさ、魅力は別のところにあって、読者を惹きつけていったわけです。

 まだ、大藪作品を読んだことがないというガン好きが居たら、お薦めです。
 上手い具合に(笑)、amazonで安価で入手できますから。


よみがえる金狼









Posted by mac-japan  at 10:09