2018年09月13日

モデルガンのブロゥバックパワー その②

 少し前に、「モデルガンのブロゥバックパワー」と題して書きました。ブロゥバック時のエナジーがどれほどなのか? に関しての話でした。
 ブロゥバック時のパワーというか、正確にはエナジーですが、その大きさは計算式で求められます。
 ここでの話は別にあります。

 多くのガンマニアが知っている事実に、「マルシン工業のプラグファイアカートリッジのブロゥバックパワーよりも、MGCが開発したCPカートリッジの方がパワーが大きい」 が、あります。

 PFカートリッジのパワー<CPカートリッジのパワー

 これは事実です。
 ただ、気になるというか、その事実は誰でも知っていますが、では、なぜ、同じキャップ火薬を1個使いながら、そこにパワー差が発生するのかは、多くのガンマニアが知りません。
 唯一、過った情報として、「PFカートリッジはガス漏れがあるから」が、あります。
 これは間違いです。PFカートリッジのパワーダウンは、決してガス漏れが原因ではありません。それは何度も実験して確かめています。

 では、どうして、パワー差が生まれるのか?
 これは不思議です。大きな謎です。

 ここでは、数回にわたり、その謎の話を書いてみます。
 今回は、「パワーダウンはガス漏れが原因ではない」の話です。

 過去に、私は、キャップ火薬が発火した際に、どれほどのガスが発生するのかを調べたことがあります。方法は簡単で、水中でキャップ火薬を発火させ、ガスを回収し、シリンダーに入れて体積を求めました。
 誤差を小さくしたかったので10発を発火させ、その総体積を10で割りました。それでキャップ火薬1個あたりの発生ガス量が測定できます。
 結果的に、1.5ccほどでした。これは、一辺が11.5mmのサイコロの体積と、ほぼ同じです。


 そんなに少ないはずはないだろ!!
 お前はバカだ!! ウソだ!!!

 という、反論が過去にありました。反論は大歓迎なので、反論される方は、どういう測定方法で調べたところ、発生したガスがもっと多かったのか。そして何ccだったのか、それらも添えてもらえると嬉しいです。

 で発生したガスと燃焼時の温度と、それが閉じ込められている空間の大きさ(つまりはカートリッジ内の容積)を元に、ボイル・シャルルの法則で計算したところ、理論上、瞬間的に100気圧までカートリッジ内の圧は高まると分かりました。
 実際は、60~70気圧だと思われます。もう少し低いかもしれません。


 ここで話を元に戻します。
 結局のところ、ガスの発生量、温度、閉じられた容積の大きさの3つが分かると圧力は計算できます。
 そこで、PFカートリッジとCPカートリッジのパワーを計算したところ、少しばかりですがCPカートリッジの方がパワーが大きいと出ました。
 その差は、計算値では5%~10%となりました。
 それはそれで良いのですが、現実的には、パワー差は20%前後と思われます。もしかしたら30%かも知れません。それくらいは差があります。

 つまりは、私の計算に間違いがあるわけです。というか、何らかの見落としがあると言えます。
 何を見落としているのか?
 どーして、CPカートリッジの方がパワーが大きくなるのか?

 話の続きは次回にします。
 ここでは、最後に、PFカートリッジの水中発火実験の様子を紹介します。

モデルガンのブロゥバックパワー その②
実験では、マルシン工業のM16シリーズ用カートリッジを使いました。
カートリッジが長い分、ガス漏れの量が多くなるからです。


モデルガンのブロゥバックパワー その②
カートリッジ本体にリム部をネジ込むとき、このように隙間があるとダメです。
ガスは大量に漏れ出します。ガバガバですから。


モデルガンのブロゥバックパワー その②
リム部は、このようにしっかりとネジ込みます。
基本です。


モデルガンのブロゥバックパワー その②
モデルガンのブロゥバックパワー その②
カートリッジを、水を張った容器に入れ、先からピンを挿し込み、叩きます。


 上記の実験を繰り返します。
 結果、ガス漏れの量は3%前後だと分かりました。最大で5%ほどです。
 このことから、ガス漏れを原因としてPFカートリッジのパワーダウンを訴えるのには無理があります。5%のガス漏れでは、実質、パワーダウンは実感できない、測定できないからです。
 もし、20%以上のガス漏れがあれば、パワーダウンは測定可能です。













Posted by mac-japan  at 19:07