2012年01月30日

学べるサイト

 ネットの発達によって、多くの意見、考えを見られるようになりました。
 それまで「発表の場」を持たなかった人が場を持てたことは、何か新しいことにチャレンジするときに一つの解決案を提供してくれます。

 いろいろな意見、考えを見られるのは良いことです。

 さてさて。
 銃や射撃に関してアレコレと知りたいとき、ネットで検索します。自分が欲しい情報にたどり着けるとは限りませんが、検索していきます。
 先日、射撃に関して調べていると、一つのサイトを発見しました。
『豆鉄砲の日本で2番目にいい加減なエアライフルハンティング』です。
http://mameworks.syuriken.jp/index2.html


 読んでいくと、そのレベルの高さに驚きです。ここまでレベルの高いサイトは滅多に見かけません。
 何が、どう凄いかというと、3つあります。
①誤字・脱字が無い
②間違いに気づいても、そのまま残している
③自身のサイトで発表している

 誤字・脱字ですが、普通、5行書くと、1文字は誤字・脱字があります。10行書いて、誤字・脱字が無いものは、もはや「普通」ではありません。
 ネットの世界は素人が無償で書いているのが基本ですから、誤字・脱字は多いです。というか、そこを正す必要もノウハウもありません。書いたままの発表ですから、誤字・脱字はあって当然です。
 が、上記のサイトは、それがありません。
 これは、作者(著者)が、初めから誰かに読んでもらうことを意図していた‥‥と、いう意味です。
 当たり前のように感じるかもしれませんが、最初から読者を意識して書くというのは、すでに素人の発想ではありません。
 どういった仕事をしている方のサイトなのかは分かりませんが、普通ではありません。

 ②ですが、多くの場合、ミスがあると、皆さん訂正します。で、訂正した時点で、過去の自身の記事、論文、その他を削除します。正しい話(内容)に書き換えたのですから、過去の間違った部分は削除しても何も問題ないですし、その方が自然とも受け取れます。
 ですが、この作者、過去の間違いを残したまま、「間違っていました」として、話を続けています。
 これは、やはり、自分のためではなく、読む人のためにサイトを制作しているとしか思えません。
 人は、自分の間違いを隠したがります。無かったことにしたがります。
 その心理、行動自体は人として自然なのですが、何かの考え、論文の場合、間違いを残すことで、より確実に、より深く研究は進められます。
 自分のためではなく、後人のために書いている、それを目指していることが感じられます。

 ③ですが、最初から自分でサイトを立ち上げ、そこで考え、結果を発表していることです。
 ネットの世界は顔が見えないため、身分をハッキリさせずに難癖をつける人もいます。どこの誰なのかを名乗らずに反論するというのは、その時点で反論になっていない‥‥という基本が欠如している人が多いわけです。
 対して、自分でサイトを立ち上げて発表するというのは、「逃げない」という意味です。
 どこの誰平なのかをハッキリさせているという意味です。
 もちろん、メールでの問い合わせもできます。

 この3つを満たし、銃や射撃の話を書く人は少なく、その意味でも、貴重なサイトです。

 で、面白くて、最初から最後まで読んでいきました。
 射撃やハンティングの経験がないと難しい部分もあります。また、射撃を論理的に語るため、数式もたびたび登場しますから、見慣れていないと、チョッと大変です。
 ですが、ゆっくりと読み進めると、作者が言わんとしている主題は理解できます。


 そんなこんなで最後まで読むうちに、一つ、「あれ?」という部分がありました。
 「ライフリングのピッチ」というタイトルで書かれた記事です。
 これは、文字通り、ライフリングのピッチについて話が進みますが、作者は、ピッチに対して疑問を持ちます。ピッチとパワーの関係に疑問を持ちます。どういう関係があるのか? と、考えます。
 世の中の多くの人は「ピッチは経験で決める」としており、それはそうかもしれないが、何か、あるのではないか? と、思考を進めます。
 その結果、ある回答を見つけます。ライフリングのピッチに関する回答です。

 弾丸の角運動量÷弾丸の空気抵抗

 この値が、ピストルとライフルとでは異なるものの、それぞれ、ある数値(定数)になるという説です。
 作者は、そこに納得している様子です。

 なぜ、この話に「あれ?」と感じたかというと、その関係式を発表したのは、世界で、私だけだからです。(笑
 私が知る限り、国内・外の射撃に関する記事で、ライフリングのピッチを論理的に語ったものを読んだことがありません。
 1985年のコンバットマガジンの連載記事で書きました。27年前です。

 このサイトの作者が、「ピストルとライフルとで定数は違う‥‥」と書いていますから、まず、間違いないです。私の記事が元ネタです。
 何となく、嬉しいような恥ずかしいような話ですが、正直に書くと、その「定数」、もっと別の求め方があると、発表当時から考えていました。というのも、その「定数」を求めたのは大学生のころで、流体力学の講義に飽きて、ヒマつぶしに手元のデータを元に計算し、1時間くらいで結論づけたものだからです。

 いま、また、少しずつ勉強していますから、新しい発見が出来たら発表したいですね。





Posted by mac-japan  at 07:00