2015年02月25日

C-TECカートリッジのパワーを調整

 モデルガン発火の師匠であるT.K.REDさんのブログを読むと、新発売のC-TECカートリッジをマルシン工業のモデルガンに使用すると、パワー過渡でガンにトラブル(破損)が発生してしまう‥‥ということが紹介されています。

 その辺の話はMJマガジン3月号でも書いていますが、ここでは一足先にパワーの調整です。
 過去のMJマガジンでの記事から、CPカートリッジのブロゥバックパワーはプラグファイアカートリッジのそれよりも大きいことが実験で分かっています。20%ほど、パワーが大きいです。

 ということは、CPカートリッジのパワーを20%ダウンさせれば、まずまず安全にマルシン工業のモデルガンに使えると言えます。
 で、ここでもう一つ。C-TECのカートリッジはMGC(KSC)のCPカートリッジよりも15%ほどパワーが大きいです。
 つまり、C-TECのCPカートリッジはプラグファイアカートリッジよりも35%(正確には違うけど)、パワーが大きいわけです。
 ちなみに、その35%というのは45ACP弾での話です。
 が、とりあえず、ここでは9mmルガー弾も同じく35%パワーが大きいと仮定して話を進めます。

 
 C-TECのカートリッジのパワーを35%ダウンさせれば、マルシン工業のモデルガンに使えることになります。
 C-TECカートリッジはパワー調整が簡単です。これは、二重構造の内側を、少しカットすれば良いだけです。カットした分だけストロークが短くなりますからパワーダウンします。さらに、それは同時に、発火音を大きくします。というのも、ガス圧が高いうちにガスの放出が起こるからです。

 では、どれほど、C-TECカートリッジの内側パーツをカットして短くすればよいのか?
 これはカンで削っても問題ありませんが、計算でも出せます。

C-TECカートリッジのパワーを調整

 この方程式はピストン(Fピン)の移動量と、その間におけるブロゥバックエナジーを表しています。
 ピストンの移動量とカートリッジ内部の圧の関係をグラフにしたものから立てました。
 任意に選んだ2点(プラグ位置)でグラフ(数式)を積分するとエナジーの総和が求められます。
 過去のMJマガジンの記事で、「この方程式は理系の大学生でないと立てられない(解けない)」と書いた記憶がありますが、実際に自分で立てたところ、高校生でも理解できることが分かりました。

 この方程式を使って、C-TECカートリッジをどれだけカットすればよいのかを計算したところ、2mm削ると良いことが分かりました。
 となれば実験です。
 C-TECカートリッジの内側のパーツを2mm削ってパワーダウンさせてみました。
 厳密には、この方程式はマルシン工業のプラグファイアカートリッジを元に求められていますから、C-TECカートリッジ用の方程式は少し違ってきます。

C-TECカートリッジのパワーを調整
 左の短いものが加工済みです。右は無加工のノーマル


 パワーダウンカートリッジで発火させたところ、ブロゥバック&排莢はしましたがスライドストップは掛かりませんでした。
 計算式は理論ですから、ガンのメンテナンス不足、ガス漏れ、その他の理由で少しズレが出ると考えた方が良いです。
 もしくはHWモデルのM9で試したためかもしれません。
 ただ、気持ち、リコイルスプリングが固く感じたので、別のものに交換し、クリーニングも徹底することで最適パワーになるかもしれません。

 ついでなので無加工のカートリッジでも撃ってみましたが、パワーはちょうど良い感じでした。
 う~ん。なんでだろう‥‥。
 やっぱり、メンテナンス不足とリコイルスプリングに何かあるのか??

 またあとで、しっかり調べてみます。詳しく調べられたらMJマガジンで発表していきます。

C-TECカートリッジのパワーを調整
MJマガジン3月号は今月末の発行です。






Posted by mac-japan  at 07:00